加齢とともに血圧が上がるのは、実は“自然なこと”?

「血圧が高くなってきたんです…やっぱり薬を飲まないとダメでしょうか?」

日々の診療の中で、こうした相談をよく受けます。


でもちょっと待ってください。血圧が高くなる=すぐに薬、という判断は本当に正しいのでしょうか?驚き

今回は、「加齢とともに血圧が上がる仕組み」と、「血圧の基準値って本当に正しいの?」という視点から、いま一度“血圧との付き合い方”を考えてみたいと思います。


■ 年齢とともに血圧が上がるのは当たり前びっくりマーク

実は、血圧というのは年齢とともにゆるやかに上がっていくのが自然な現象です。
なぜなら、加齢にともなって身体にさまざまな変化が起こるからです。

◎ 血管がかたくなる

年齢とともに血管はしなやかさを失い、ゴムホースのように弾力がなくなっていきます。
若いころの血管は、心臓が血液を送り出すたびに「ポンプの勢い」をやわらかく受け止めてくれていました。

しかし加齢とともに血管が硬くなると、その衝撃を吸収できず、血液を押し出すためにより大きな力=高い圧力が必要になります。
これが、「上の血圧(収縮期血圧)」が上がる大きな原因のひとつですびっくりマーク

◎ 腎臓の働きが落ちる

腎臓は血圧の調整を担う臓器です。加齢によってその調節力が少しずつ低下していくと、体内に水分や塩分がたまりやすくなり、血圧が上がりやすくなります。

◎ 自律神経のバランスが乱れやすくなる

年齢とともに、自律神経の「緊張モード(交感神経)」が優位になりやすく、それも血管の収縮や血圧の上昇につながります。

つまり、年齢を重ねて血圧が高くなるのは

「自然な流れ」なのです。


■ 下がり続ける「血圧の基準値」に振り回されていませんか?

日本ではここ数十年、血圧の基準値がどんどん厳しくなってきました。
少し前までは「上が160くらいでも年相応」と言われていたのに、今では「130を超えたら高血圧」と言われることも…。不安

こうした基準値の変化は、製薬会社や学会の方針とも深く関わっていて、「本当にその基準がすべての人に必要か?」は、よくよく考える必要があります。

実際、欧米では「高齢者の血圧は140〜150台でもOK」とするガイドラインもあります。

■ 血圧が高くても、すぐに薬を飲まなくてもいいケースもある

もちろん、血圧があまりに高くて脳卒中などのリスクがある場合は、薬が必要になることもあります。
ですが、すべての人が「基準を少し超えたから即・薬」というわけではありません。

とくに、生活習慣やストレス、自律神経の乱れなどが原因の場合、**生活を整えたり、東洋医学的なアプローチ(鍼灸や食養生)**を取り入れることで、薬を使わずに血圧が落ち着くケースも多くあります。

ここで大切なのは、薬はあくまで「症状を抑える」ための対処法であって、根本的な原因を治しているわけではないということです。悲しい

血圧というのは、あくまで身体からのサインの一つ。
薬で数値だけを下げても、その背後にある“本当の問題”を見逃してしまえば、根本から健康になることは難しいのです。

言いかえるならば、**血圧の上昇は「氷山の一角」**のようなもの。
薬はその見えている部分(数値)にアプローチする方法であり、
**その下にある大きな土台(生活習慣・体質・内臓の弱り・ストレス)**に働きかける必要があります。

だからこそ、「すぐに薬」ではなく、まずは身体の内側から立て直すという視点も忘れずに持っていたいですね。

■ 不安を煽るより、“自分の体の声”を聞こう

「数値」だけを見て不安になるのではなく、大切なのは今の自分の体の状態を、しっかり観察することです。

・ふらつきや頭痛がある?
・足がむくみやすくなってる?
・睡眠の質はどう?
・イライラしやすくなっていない?

こうした小さなサインこそが、あなたの体からの“メッセージ”です。
数値にばかり気を取られて、その声を聞き逃していないか、ぜひ振り返ってみてください。


■ まとめ:年齢とともに血圧は上がって当たり前。不安に飲まれず、自分の体と対話を。

血圧の数値に一喜一憂するのではなく、
「年齢に応じた自然な変化」
「体が発する本当のサイン」
を大切にしたいものです。

薬に頼る前にできることはたくさんあります。
焦らず、でも丁寧に、自分の健康と向き合っていきましょう。

🌿 東洋医学で、体の土台から整えるという選択も。

当院では、血圧という【結果】だけを見るのではなく、
その背景にある体質や生活、ストレス、内臓の疲れなど、【根本原因】を改善する治療をしていくます。

「まだ薬はちょっと…」
「できれば自然な形で整えたい」
そんな方のために、東洋医学にもとづいた鍼灸治療をご提案しています。キラキラ

体調で氣になることがあれば、ご相談くださいね。