1日3食って本当に必要?
東洋医学から見た“内臓の声”の聞き方
「朝・昼・晩、3食きちんと食べましょう」
私たちは小さなころから、そう教えられて育ってきました。
でも、ふと立ち止まって考えてみたことはあるでしょうか?
「本当に、私の体はいま、3食も必要としているのか?」
今回は、東洋医学の視点から、“内臓の声”に耳を傾けてみましょう。
■ 1. 「1日3食」はいつから始まったのか?
実は、日本人が1日3食の生活になったのはここ150年ほどのこと。
明治時代に欧米文化が入ってきてから、ようやく一般化したものです。
それまでは、**江戸時代の庶民は「1日2食」**が当たり前。
朝と夕方に食事をとり、昼はお茶と軽い間食程度。
自然のリズムに合わせた、体にやさしい生活を送っていました。
■ 2. 東洋医学では「脾胃(ひい)」がポイント
東洋医学では、消化・吸収・栄養の運搬を担う臓器は「脾(ひ)」と「胃(い)」。
この2つの臓腑がしっかり働くことで、**「気」や「血」**が生まれ、私たちの生命力を支えてくれています。
でも、脾胃にはこんな特徴があります:
- 湿を嫌う:つまり、常に食べ物が入っている状態は負担になる
- 休息が必要:食べていない時間にこそ、回復と再生が起こる
つまり、空腹を感じる前に食べる習慣が続くと、脾胃は疲れてしまい、全身の不調につながることもあるのです。
■ 3. 「3食」は現代人の生活に合っているのか?
現代の私たちは、かつての人々に比べて圧倒的に動かなくなっています。
- 通勤は電車や車
- デスクワーク中心
- エレベーター・エスカレーターが当たり前
なのに、食事は1日3回しっかり。
しかも、スイーツやおやつ、甘い飲み物までプラスされる人も多いですよね。
この状態では、摂取エネルギー>消費エネルギーになりがち。
結果として、
- 消化不良
- 血糖値の乱高下
- 眠気、だるさ、慢性的な疲れ
などが起こっていても、不思議ではありません。
■ 4. 大切なのは「食べ方」ではなく「聞き方」
東洋医学では、「万人にとっての正解」よりも、「あなたにとって合うかどうか」を大切にします。
だからこそ、「3食が悪い」のではなく、“内臓の声”を聞いてみることが必要なのです。
たとえば…
- 本当にお腹が空いている?
- 食べたあと、体が軽い?重い?
- 食後に眠くなったり、集中力が切れたりしない?
- 朝起きたとき、胃がもたれていない?
こうした感覚こそ、体からの大切なメッセージです。
■ 5. こんな人は“食べすぎ”のサインかも
症状・状態 | もしかして…? |
---|---|
朝食が入らない | 前日の夜、遅くまで消化中かも |
お腹は空いていないのに時間で食べている | 脾胃が疲れているサイン |
食後に眠くなる | 消化がうまくいっていない可能性 |
空腹の時間がない | 内臓が回復できていないかも |
■ 6. まとめ:あなたのリズムに合わせた食生活を
1日3食が習慣になっているからといって、それが必ずしも「体に合っている」とは限りません。
時には、**食べない時間=“内臓の休息”**が必要なこともあります。
東洋医学では、**「未病(みびょう)=病気になる前の不調」**を大切にします。
つまり、「なんとなく不調」の段階で、自分の生活を見直すことが、将来の健康を守ることにつながるのです。
◎ 今日からできる一歩
- お腹が空くまで食べない習慣を取り入れてみる
- 「あと少し食べたい」くらいで箸を置く
- 食後に内臓の声を感じてみる(眠気・重さ・スッキリ感など)
あなたの内臓は、今日も頑張ってくれています。
たまには、少し休ませてあげませんか?
「食べる=元気になる」は本当。
でも、「食べすぎない=もっと元気になる」こともあるんです。
■ エンディング|それでも食べすぎてしまうあなたへ
「本当はお腹が空いていないのに、つい食べてしまう」
「やめたいのに、甘いものがやめられない」
そんなふうに感じているとしたら、もしかすると“ストレス”が原因で、自律神経のバランスが乱れているのかもしれません。
東洋医学では、「心」と「内臓」は密接につながっていると考えます。
ストレスで気の巡りが滞れば、消化機能にも影響が出やすく、つい過食に走ってしまうことも。
だからこそ、私たちは「食生活の見直し」だけでなく、心と身体の土台から整えるサポートが必要だと考えています。
当院では、東洋医学に基づいた鍼灸治療を通して自律神経のバランスを整え、内臓本来の働きを引き出すお手伝いをしています。
無理に我慢するのではなく、
「自然と食べすぎなくなった」
「空腹が心地よく感じられるようになった」
そんな変化を、一緒に感じてみませんか?
お問い合わせはラインからが便利です😊
